前回は、ポジティブな感情について話しましたが、今度は「辛さ」について話したいと思います。
そもそも、どうして「辛い」と思うのか
生きていれば、誰だって「辛い」と思うことがたくさん起きますよね。失敗をした時、間違いを犯した時、フラれた時、断られた時、大事な関係が壊れた時、非難された時、差別された時、周りから過剰な圧力や期待をかけられた時、誤解された時、などなど…。
期待に反したことが起きると、人間は感情の動物であるため、どうしても色んなことを感じてしまいます。同時に、様々なことも思い起します。感情と思考のクセは、マインドセット(考え方の基本的枠組み)と深く結びついており、現実の捉え方にも影響します。
マインドセットには2つのタイプがあります:「硬直したマインドセット」と「しなやかなマインドセット」。これは、キャロル・S・ドゥエック博士の研究によって明らかにされました。
例えば、2人の大学生が大事な試験に落ちたとします。誰もが凹む事件ですよね。硬直したマインドセットを持っている学生の方は、能力(下手すると自己も)が否定されたかのようにこの事実を受け止めてしまいます。柔軟なマインドセットを持っている学生の方は、失敗したことを事実として受け止め、なぜ失敗したのか、原因を追求する方に意識を向けます。
となると、「能力が否定された」と思う学生と「試験に失敗した」と思う学生の意欲の質が断然違ってきます。それぞれの努力が実を結び、結果的にこの2人は追試に無事合格するかもしれません。けれども、片方は自己肯定感が高まるのに対して、もう片方は「能力不足」感に苛まれることになりかねません。
どのマインドセットでどう困難に対処するかによって、その後が大きく変わるのです。
さらに詳しく知りたい方は、ドゥエック博士の著書「マインドセット『やれば出来る!』の研究」がとても参考になりますので、良かったらぜひお読みください。
どうすれば「辛さ」を解消できるのか
まず、自分で出来る方法をいくつかご紹介します:
- 感情の本当の原因を追求する
- 気持ち・思考・行動の関係を意識する
- ポジティブな内なる対話をする
- 気分を入れ替える
それぞれについて詳しくご説明しますね。
1) ある感情を感じた時、その原因をはっきり特定できますか?例えば、「○○をやって」と頼んだのに、やってくれなかった相手にどうして怒ったのか。やって欲しいことをやってくれなかったから。では、どうして怒るほどそれが気になったのか。相手を自分の思い通りにコントロールしたいから?信頼を裏切られたから?その答えに、自分のニーズまたは価値観が隠れています。それを知ると、もっと素直に自分の要望を相手に伝えやすくなるはずです。
2) 例えば、パートナーが自分のやったことに文句言ったとします。相手の言い方にイラっと来た時、何を考えましたか?「いつもそうやって私のことを認めてくれない」→「文句ばかり言う人の要望に応える気になれない」→行動:何もしない。その場限りでは気が済むかもしれないけど、長い目で見て、果たしてそれで良いのか。本当は言いたいことあるならば、根に持たずに、相手にきちんと伝えるのが大人の対応です。もちろん、感情的にではなく、落ち着いて冷静に。
3) 自分に一番厳しいのは、たいてい自分です。でも自己批判ばかりしていては、ますますストレスが溜まるし、気分が滅入るだけ!恥ずかしいかもしれないけど、親友に話すのと同じように、もっと応援する対話の仕方をしてみてはどうでしょうか。ポジティブな言葉を自分にかけると、自己肯定感も不思議と上がります。
4) 気分を入れ替えると、状況が違って見えることがあります。例えば、ほんの少しの間だけ心を静かにする時間を持つ、思い切って別の視点から見てみる、他のことをしてリフレッシュする、など。ただ、ここで感情を抑圧しては、本末転倒。ネガティブな感情は気分いいものではないけれど、それなりに意味があるのです。その意味をくみ取らずに抑えつけると、後でまた同じようなことが起きた時、結局同じ対応を繰り返してしまい、前進できません。

エネルギーワークで「辛さ」を癒せるのか
もちろんです!同時に、「辛さ」の種類にもよります。エネルギーワークでサッとクリアできるものもあれば、できないものもあります。
解消しやすいのは、比較的単純な「辛さ」―根が浅いか、すでにたくさんのインナーワークをしているため、ほとんど自己解決できているものです。反対に、長い年月をかけて出来上がった「辛さ」は、根も深いし、色んな要素が複雑に絡み合っているため、それなりに時間と労力が要ります。エネルギーワークだけでは、足りないかもしれません。
足りない部分はどう補えばいいのか
考えと気持ちがエネルギーワークで変わらないのであれば、行動を変えてみることです!人生というのは、長~い実験のようなもの。新しい行動を取ることによって、今まで意識しなかったことに気付けると、そこから新しい可能性の扉が開きます。どんな小さな行動でも、私たちを変えてくれるきっかけになるのです。
以上、「辛さ」を乗り越えるためのヒントをいくつか挙げてみました。お役に立てれば幸いです。もし今「辛い」と感じていて、なかなかそこから抜け出せないのであれば、よろこんでサポートいたします!下記のお問い合わせフォームに、このブログ記事に返信している旨を書き込み、お気軽にご相談ください。