ポジティブな感情について学ぶ
エモーションコードプラクティショナーである私は、ネガティブな感情が心と体にどんな悪影響を及ぼすのか、よく知っているつもりです。でも不思議なことに、その対極にあるポジティブな感情を深く追究したことが一度もありませんでした。今思うと、よくぞここまで来れたなと、我ながら恥ずかしいです^^;
で、先月思い立って、ポジティブ心理学の本を片っ端から読むことにしました。何しろ、メンタルブロックを打開することに喜びと使命を感じるプラクティショナーだから(笑)、効果抜群なマインドハックを見つけようと思って。
ポジティブな感情の効果
ポジティブな感情は、精神衛生上良いとは知っていたけれども、具体的にどう良いかは、あまりよく理解していませんでした。
しかしよく調べてみたら、ポジティブな感情には思っていた以上に、様々な効果があることが分かりました。
身体面の効果:
• 細胞の成長を促す
• ドーパミンやβエンドルフィンなどの脳内ホルモンの分泌を促す
• ナチュラルキラー細胞の増加をもたらす
• ストレスによる交感神経系の過剰反応、炎症反応を抑える
• ネガティブな感情によって起きた心拍や血圧の亢進を、早く元に戻す
精神面の効果:
• 意識を拡張する
• 思考の領域が広がる
• 他人に心を広くようになる
• バイアスや偏見をなくす
• 好奇心をかき立てる
• 問題解決能力を高める
• ストレスに強くなる
• やる気が出る
• 自分だけでなく、周りの人も元気づけられる
• より良い、長続きする人間関係を築ける
ポジティブな感情ってすごいんですね!こんなにいいことがたくさんあるなら、365日ポジティブでいたいけど、どう考えても無理ですよね。どうして?どうしてポジティブでいるのはこんなに難しいのでしょう?
ネガティブ・バイアス
それは、私たちには「ネガティブ・バイアス」が存在するからです。
そもそも、ネガティブな「偏見」って何?なぜ必要なの?そんなものを持つ意味があるの?
かつて人間が、どう猛な生き物、天災・災害、よその部族の侵略などの危機から身を守り、一日でも長く生き伸びるために、的確に危険を察知し、安全を確保する能力が必要でした。
長い間、過酷な環境下に置かれた祖先が、このサバイバル能力のおかげで子孫を残せたわけですから、ネガティブ・バイアスあって今の自分があると言っても過言ではありません。
発展した現代社会においては、もう生存が脅かされるような危険がなくなりました(今のコロナ禍は別として)。でも、やはり、DNAに刻まれた習慣はそう簡単には消えないんですよね…。なので、ネガティブ・バイアスを乗り越えるには、意識的にポジティブな感情を体感しなければなりません。
10年ほど前に、バーバラ・フレドクリソンという心理学博士が、『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』という本を出しました。皆さまも読まれたかもしれません。
フレドクリソン氏は、日頃から、ネガティブな感情1つに対して、ポジティブな感情を3つ感じられれば、確実に自分を上昇スパイラルに乗せることができる、と言ったのです。2:1だとポジティブ度が足りなくて、1:1はすでにネガティブ領域、1以下(例えば0.5):1は鬱の危険性があることまで分かりました。
後に、この3:1の比率を算出するために使ったデータや数式に過ちがあると指摘され、よってポジティビティの「黄金率」の根拠は全くない、と別の学者たちに批判されます。でも、ネガティブ・バイアスについては、今も議論の余地がない事実として受け止められています。
ポジティブな感情を味わおう
じゃ、どうすればポジティブな感情をもっと感じればいいでしょう?フレドクリソン氏の本にたくさんのアドバイスが書いてあるし、ネットを調べても、このことに関する記事がいっぱい載っています。
個人的には、凝り固まったマインドセットをどうにか変えたい!と思ったことが何度もあります。だけど、いろんな手順を覚えるのはめんどくさいし、ラクにできないと結局実践しないのがオチ…。皆さまも、そんな経験をしたことありませんか?
そこで、効果覿面そうなマインドハックを、一つだけ考えてみました:
「ポジティブな感情を味わおう」
普段、良いものに出会った時、または良いことが自分に起きた時、どんな風に反応しますか?時間に追われて気づきさえしない、他のことに気が取られて深く注意しない、謙遜してサラッと流す…?だとしたら、せっかくのいい瞬間が、シャボン玉のようにあっという間に消えてしまいます。
なので今度、褒められたら、素直に受け止める。お礼を言われたら、感謝する。お礼を言う時、相手の目を見て笑顔を返す。美しいモノ、景色や音、美味しいご馳走を前にしたら、しっかり5感で味わう。嬉しさ、面白さ、可笑しさ、ワクワク感、達成感、幸福感、満足感、友情、愛情を感じたら、いつもよりちょっとだけ長く浸る。
そうすると、先に書いた、ポジティブな感情の身体的・精神的な効果が自然と現れます。
ポジティブな感情を味わう効果
1日1回だけでも、毎日ポジティブな感情を味わうのを1週間続ければ、上昇効果を感じられます。さらに1週間、そしてまた1週間続ければどうでしょう?
身体的、精神的、そして感情的にも、しっかりと上昇スパイラルに乗っているかもしれません??自分のエネルギーが高まれば、自然と周りの人のエネルギーも高まります。エネルギーは必ず伝染するので!
私も試してみました。ポジティブな感情を味わう前と後を比べると、今の方がイヤな事から早くリカバリーできるようになりました。このブログを書いた時も、書いている最中に気分が高ぶったのは予測できたけれども、書くのを休憩している間も、何かとせわしなかったのに、心が平和だったことにはびっくりしました!
ポジティブな感情を味わう=マインドフルネス
ここまで読んで、これって要するにマインドフルネスよね?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
はい、その通りです。「ポジティブな感情を味わう」は、つまり「今、この感情に心を向ける」ことと一緒です。
あえてマインドフルネスという言葉を使わなかったのは、「堪能する」ことに重きを置きたかったから。
「味わう」という言葉の方が、脳に対して、「今この瞬間をじっくり楽しもう」というメッセージを強調できるんじゃないかと思ったのです。
もし良かったら、皆さまもぜひ試してみて、どうだったか結果を教えてください!他に質問やコメントがあれば、いつでもお気軽にご連絡くださいね。
理美